2日目は朝早く目が覚めました。朝食付きのホテルだったので、食堂に行ってみると想像以上に素敵なビュッフェ。普段はコーヒーのみで済ませてしまいますが、せっかくなので朝食をいただき、素早く身支度をして早速周囲を散策することに。







以前は旅にまつわる本や機内誌の制作に携わっていたものの、最近では近場に出かける時も、旅に出る時もガイドブックよりもSNSやGoogle Mapで訪問先を決めることが多くなってきました。皆さんはどうでしょうか? 今回も、気になる箇所をGoogle Mapに保存して、訪れるエリアをダウンロード、電波がなくても確認できる状態にして散策を開始します。
滞在先は、ポルトの人気観光地の一つ「ポルト・サンベルト駅」近くだったのですが、ホテル近くの大きな通りに出てみると、その通りからたくさんの路地が見えます。そのうちの一つがなかなかの急勾配。路地の出立に興味をひかれて、丘を目指して登ってみることにしました。ポルトは全体的に坂道が多く、長崎のような雰囲気です。坂道に沿ってたくさんの古い住居が連なって立っており旅情を誘います。
細い路地を写真を撮りながら登っていくと、お城のような石壁に辿り着きました。地図を確認すると保存していた「ポルト大聖堂」。ポルト大聖堂については、詳しく別記事で書いてみようと思っています。
「ポルト大聖堂」は丘の上にあり、市内を一望できます。朝早かったためほとんど人はおらず、どこからか現れた老人がサックスを吹き始めてくれたので、その音を聴きながらしばらくぼーっと景色を見て過ごしました。私がポルトガルを訪れた期間は比較的ずっと天気が悪く、小雨もちらつく中の散策でしたが、この丘の上に立った時は晴れ間も見え、朝の清々しい空気を満喫。到着した日は暗かったので気づくことができなかった街の美しさを、深呼吸しながら目に焼き付けました。









「ポルト大聖堂」を2時間ほど堪能した後は、高台から見えたドウロ川を目指すことに。このドウロ川には、ポルトの名所の一つ「ドン・ルイス1世橋」を始め、たくさんの橋がかかっています。この橋の両側に起伏に富んだ街が広がり、その風景は宮崎駿監督作品「魔女の宅急便」の舞台にもなったとか。迷路のように入り組んだ路地をのんびり歩くこと30分あまり。すぐに川沿いに着くことができました。
川沿いでは、船の大きな汽笛やポンポンと言うエンジン音に加え、路上ミュージシャンの歌、そして観光船に呼び込む掛け声など、丘の上よりは賑やかな雰囲気。川に沿って、カフェやレストランが軒を連ねています。対岸にはロープウェイが走っていて、「最終日の夕方にロープウェイに乗ろう!」と決めて、またあゆみを勧めます。途中、小さなお土産屋さんに立ち寄ると、カラフルな雑貨にときめきました。
そのまま川沿いを少し歩いてまた大きな通りへ戻ると、アズレージョに彩られた教会に辿り着きました。「Igreja de São Nicolau(サン・ニコラス教会)」です。ポルトの街中にあるカトリック教会は、箱型の建物が多く、ドイツでよくみる大聖堂とは異なる造りをしています。全面ではないもののファサードは青いアズレージョで彩られており、小さな教会ですがとても魅力的。






サン•ニコラス教会の後は、すぐ正面に位置する「Igreja Monumento de São Francisco(聖サンフランシスコ教会)」へ。ポルトで一番有名とも言われる教会で、ユネスコの世界遺産に登録されているポルト歴史地区の中心に位置しています。教会のファサードから向かって左手にチケットカウンターがあり、チケットを購入して中へ入ります。残念ながら教会の主祭壇は修復中でしたが、それでも特別な空気に満ちた空間で、特に教会の左手側廊に掲げられた木製の「Tree of Jesus 」は圧巻の一言。1718年から1721年にかけて丁寧に彫られたと言われる木製の彫刻作品で、キリストの系図が細やかに描写されています。識字が一般的になる前は、このような精巧な彫刻やステンドグラス、絵画を用いることで聖書の内容を説明していたといいますが、このTree of Jesus は私がこれまで見てきた宗教彫刻とは全く異なる次元であるように感じました。たくさんの教会を訪ね、数多くの宗教美術に出逢ってきましたが、美しさの中に圧倒的な愛を感じる作品で、それが信徒から神への愛なのか、神からの愛なのかは分かりませんが、いつまでも眺めていたいと感じたほどです。残念ながら教会内の撮影は禁止されているので、写真はありませんが、代わりにポストカードを購入。祭壇の修復が終わる頃にぜひもう一度足を運びたいと思います。
聖・フランシスコ教会のあとは、ホテルへ戻る道すがら、アンティークショップに立ち寄り、自分へのお土産を購入。古いアズレージョのピースや、生活用品、インテリアなどもある小さなお店に立ち寄りました。特にクリスマスシーズンだったこともあり、陶器製のキリスト誕生、ジョゼフ、マリア、赤ちゃんのキリストの置物も購入。ポルトガルらしくとってもカラフルで、緑や水色、黄色などもありましたが、ピンクをセレクト。




一度ホテルに戻り、購入したお土産品を部屋に置いて、遅めのランチをとることにしました。世界一に選ばれたこともある「Sao Bento」駅に立ち寄り、美しいアズレージョを眺めたら、街の中心部へと足を進めます。歩行者天国になっているショッピングストリート「サンタ・カタリーナ通り」を目指し、ポルトの老舗カフェ「Cafe Majestic」へ。1922年開業の歴史あるカフェで、政治家や学者、芸術家が集う社交場として機能していた場所だったということもあり、アールデコ調のインテリアがシックで高級感漂う空間が魅力です。ポルトガルは全体的にドイツに比べたら物価は安いのですが、このような歴史的背景もあって観光地としても人気なので、全体的にメニューは少々割高。私は、お腹が空いていたこともあり、ポルトの名物、「鱈のグリル」をいただきました。塩漬けにした乾燥鱈を戻して焼いたメニューで、たっぷりのオリーブオイル、じゃがいものロースト、ゆで卵、玉ねぎと共もにいただきます。塩漬のため、独特の匂いは感じるものの、白身は本当にふんわり、焦げ目をつけて焼き上げられた鱈は食べ応え満天。食事の後にスイーツもいただきたかったものの、食事だけで満腹になり、引き続き歩みを進めます。




次に目指したのは、ポルト市民の台所、「ボルハオ市場」へ。午後に訪れたこともあり、半分くらいは閉まっていましたが、野菜や果物などの八百屋さん、鮮魚、精肉店、チーズや蜂蜜、サーディン缶などのお土産、生花など、地元の人も観光客も楽しめるラインナップの小さな商店が並びます。私は特に買いたいものもなかったので、のんびりと市場内を歩くのみ。八百屋さんにきのこ類が充実していて羨ましいなと思いました。








市場を後にして、向かったのはまたも教会。ポルトでも最大級とも称される「Igreja do Carmo(カルモ教会)」を目指します。ポルトは小さな街なので、大体の観光スポットに徒歩で行けるものいいところですね。もちろん、市電やバスも走っていますが、私は歩きながら街の建築や人々の暮らしを感じるのが好きなのでとにかく歩きます。こちらも別記事でご紹介したいと思います。
その後は、ポルトの街を一望できる鐘塔を備えた「Igreja dos Clérigos(グレゴリス教会)」へ。8€の入場料を払い、鐘塔を徒歩で登ります。ガイド付き、19時以降の夜間帯などでチケット代が変わってくるので詳しくは教会のホームページをご確認ください。鐘塔を上る際、教会の2階席の裏側を通るため、主催壇を間近で上から眺めることが可能です。これは、信徒であれば珍しくもないと言えますが、私は教会を訪問しますが、クリスチャンではないので、2階に登ることはほぼありません。なので、ポルトの街を見下ろすことももちろんですが、主祭壇を間近で眺めることができたことにも感激しました。
細い塔へと登る前に、期間限定で芸術家の作品展示が行われていました。細やかな細工を施した粘土で、聖書の一部を描いた作品が10点程並んでおり、その制作過程もビデオ上映されていたので、興味深く拝見。




人一人分ほどの階段をしばらく登り、ようやく展望台へと辿り着きました。夕暮れに差し掛かったポルトの街並みは、朝に丘の上から眺めた雰囲気とまた異なり、とても美しく登ってきた甲斐がありました。高所から見る街は地上とはまた違った魅力があるので、展望台が好きな方にはお勧めします。





その後は時間も遅くなってきたので、またのんびり街歩きをしながらホテルを目指します。途中気になる教会に足を踏み入れながら二日目が終わりました。
