南ドイツの風習「Perchten」

木製の大きなお面に毛皮!

いよいよ明日はファーストアドベント、ミュンヘン市内では既に「Weihnachtsmarkt」(クリスマスマーケット)が 始まっています。今日は、私が住んでいる地域の小さなクリスマスのイベントで出会った、南ドイツに伝わるキャラクターと不思議な伝承について書いてみようと思います。

ドイツ語の先生から、「あなたはきっと興味があるだろうから、行ってみたら?」と地元のクリスマスマーケットのチラシを受け取ると、タイムスケジュールに「Amperperchten」の文字が。私の住んでいる街は小さいので、クリスマスマーケットも今日と明日の2日間しかありません。イベントは夕方5時からだったので、合わせて行ってみると、ちょうど会場に着く際にスモークの中から彼らが現れました。

毛皮のコスチュームに鬼の面のような大きな仮面、頭にはツノが生えています! 彼らの名前は、「ペルヒテン」。地域によって名前は変わるようですが、オーストリアやドイツ南部に伝わるキャラクターで、クリスマスや12月の伝統行事として、善良な聖ニコラウスと悪魔的で厄介者のペルヒテンが対照的に描かれています。歴史は古く、ゲルマン大陸やスラブ神話に様々な形で登場する歴史上の人物がモデル。「ペルヒテ」、「ペルヒテン」という名前は、「明るい・輝く」という意味に由来すると考えられているそうです。元々は土着的な信仰がキリスト教と混ざり合い、各地域で色々な伝承として語り継がれています。

スモークの中から登場

スモークから現れた彼らは手に松明を持ち、禍々しい雰囲気があたりいっぱいに漂います。毛に覆われた体にはベルが無数についていて、動くたびにカンカンと音が。会場に入り、大きな焚き火の周りを取り囲むと、地団駄を踏んだようにダンスを始め、太鼓の音に合わせてステップを踏みます。キャラクターにはそれぞれの役割があるらしく、ボスは仁王立ちで全員に目を配り、子供達を怖がらせる者、箒を手に足元をひたすら掃いて歩く魔女、キャラクター同士でこぜりあったり、見かけは大人もびっくりするほど怖いのですが、なんだか愛嬌もあるので不思議です。

ショーの最後は、薪を背負った木こりが登場し、この悪魔たちを退治してくれます。この行事は、大人も子供も、自分自身の一年の行いを悔い改め、心新たに新年を迎える、厄払いのような意味があるそうです。お面を近くで見ると、木でできていて、かなりの重さがある様子。ショーの後、観客は写真撮影したいと取り囲んでいましたが、重さと暑さで次々とお面を外す様子は、なんだか着ぐるみの中身を見てしまったような気まずさがありました。

短時間でしたが、かなり面白い伝統行事を見学でき、単純に嬉しかったです。火を囲みながら、お面をつけた人々が踊る様子は、日本の「花祭り」に似た雰囲気も。古来から続く伝統行事は、自然に対する畏怖や解決できない問題を、目に見えない邪悪なものとして捉えるという人間の本質を映しているようで、国は違えど考え方は変わらないのかもしれないですね。

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