映画「Triangle of Sadness」

ドイツに来てからというもの、コロナのロックダウンはもちろん、ドイツ語もまだまだわからないので、映画館から足が遠ざかっていました。この1年で数回行きましたが、継娘のリクエストに応えて家族で見に行った子供向けの映画のみ。子供向けだと、ストーリーや映像もわかりやすいため、ドイツ語でも内容がわかるようになってきました。先日は、継娘と二人で映画館に行ったところ、私たち以外に観客がおらず、大きくて綺麗な映画館でのんびり映画を見ることができました!平日、郊外のシネプレックスはおすすめです。

さて、表題の映画ですが、実は、ドイツ語の先生と見に行ってきました。私のドイツ語の先生は、50代のドイツ人女性なのですが、授業がとてもわかりやすく、誰にも親切で、授業以外でも交流を持とうとしてくれる本当に素敵な人です。夏に集中講座を受けた時のクラスメイトも招待したのですが、結局参加したのは私のみ。二人で映画を見に行くことになりました。ちなみに、今回は私の語学力を考慮してくれた先生が、オリジナル音声(英語)でサブタイトルがドイツ語、というものを選んでくれたので、不安なく鑑賞に集中できました。

Triangle of sadness」は、スウェーデン、フランス、イギリス、ドイツ合作の風刺コメディ映画です。第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最高賞のパルムドールを受賞しています。タイトルの「トライアングルオブサッドネス」とは、眉間のしわのこと。ドイツ出身の俳優も数人出演しています。

ストーリーは、主人公の男性モデル・カールと、カールよりも人気を集める女性モデル・ヤヤを中心に話が進んでいきます。最初は、かなりスロースタートで物語の本題に入るまでは、多少ヤキモキしました。でも2時間半ある映画なので、導入で丁寧に二人のキャラクターや関係性を示すためにも必要な時間だったのかなとも思います。

インフルエンサーとしても活動するヤヤのおかげで、二人は招待客として豪華客船のクルージングに参加することになります。俗に言うセレブが集まっている豪華客船を舞台に、インフルエンサーを揶揄したり、裕福な白人、その白人に仕える有色人種(主にアジア人)、また白人の中のヒエラルヒーをシニカルに描いていきます。そして、豪華客船は大嵐に見舞われ、ひどい船酔いに陥った乗客たちは阿鼻叫喚。予想外のハプニングに見舞われることになります。かなりブラックユーモア溢れる内容で、映像も正直、ストレートに下品です。さらに船は海賊の襲撃に見舞われ、豪華客船はついには座礁。船の乗客と船員は無人島に流れ着き、サバイバル生活を余儀なくされるのです。島では、船の上のヒエラルヒーは通用しません。むしろ、魚などを海で採取し、火を起こす能力のある、船の中では下層に位置していた船員がトップに立ちます。そして、カールとヤヤの関係にも変化が訪れ…。

コメディ映画ではありますが、現代社会に蔓延するさまざまな問題を描いている風刺映画かな、と思います。それは、性別に関わらずセクハラや人種差別、貧富の差、政治主義、道徳感、、、などなど、ブラックユーモアを交えながら、痛烈に描いていると感じました。

登場人物が多く、その誰の心情も描かれていないので、感情移入するタイプの映画ではありません。また、エンディングははっきり描かれていないので、観客にストーリーを委ねています。ドタバタコメディだけれども、いろいろなことを考えさせられる映画なので、見た人同士であぁだこうだ、語れるとさらに楽しめるのかなとも思います。

ちなみに私のドイツ語の先生は、ドイツ語の教師になる前は、長らく映画業界に身を置いていたそうで、先生の解説もかなり面白かったです。先生曰く、「私ならこうは書かないわ」と言っていたので、映画通には物足りない部分もあるのかもしれません。

ちなみに、今回は、ミュンヘンの「City-Atelier Kinos」で鑑賞!外観は古いのですが、中は綺麗でした。ドイツ語映画も問題なく見れるようになることを目指して、映画館にも通いたいなと思います。

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