コロナ禍のヨーロッパ旅 番外編  ルーマニアの歯科事情

Dr. Victor Cutuhanより借用

海外在住時に悩みの一つになりかねないのが歯の健康です。歯科治療の内容やクオリティはもちろん、日本との治療費の差も不安要素になりかねません。私は現在ドイツで暮らしていますが、ドイツへの渡航が決まってから日本で急いで歯科に通い、当時気になる箇所は全て治療してから渡航しました。しかし、渡航後すぐの2020年、年末に事件は起こりました。なんとドイツのグミHariboを食べていたら、奥歯の詰め物が取れてしまったのです。この時のショックと言ったら言葉になりません…。まだまだドイツ語に不安がある中で、歯科を予約し治療を行うのは私の中では多少ハードルの高いことになってしまいました。と言うのも、まずコロナ禍であることに加え、英語で診療を受け付けてくれる歯科医院を探すのも容易ではないからです。中には英語を表記してくれる病院・歯科もありますが、受付は結局ドイツ語だったり電話での予約もドイツ語が基本ということも少なくありません。

またドイツの歯科は、健康保険でカバーされていないことが多く、診療費が保険の対象になる場合でも材料費などは自費払いとなるため、総じて基本的な診療費が日本よりも高くつくと言うのです。とりあえず、近隣で英語が通じる歯科を探しましたが、なかなか見つからず、しばらく穴が開いたまま生活することに。しかしやはり気になるので、夫と相談してルーマニアに帰省する際に、夫の友人の歯科医に治してもらうことになりました。

今回、急遽ルーマニアに帰省することができたので、ありがたく、二人揃って歯科治療を行うことができました。担当していただいた歯科医師は、夫の友人でもあるため、予約もスムーズでルーマニア滞在中に全ての治療を終えることを念頭にいざ診察室へ。訪れた歯科医院は、Piatra Neamtのショッピングモールそばにある「Dr. Victor Cutuhan」です。大きな建物の一部を利用して開業していらっしゃいます。玄関を開けて入ると待合室がありますが、完全予約制のため混み合うことはないそうです。日本と違った点といえば、院内には土足で入りますが、待合室には靴を覆うための使い捨てのビニールスリッパが置いてあり治療を行う診察室にはビニールスリッパを靴に被せて入ります。

おしゃれな待合室。水槽もあります。

日本の歯科と違うところは診察室、治療を行う歯科用の椅子は一つ(日本でもそういう歯科もあるかもしれませんが)。待合室に隣り合った診察室に入ると、白を基調とした清潔感のある明るい部屋に、日本と同じような診療用の椅子や設備が揃っていました。そして大音量で音楽がかかっていたのもなんだか日本とは違うな〜とほんのり思いました。二人で診察室に入り、私は奥歯の治療をしてもらいたいこと、夫は定期メンテナンスをお願いしました。もちろん、夫がルーマニア語で説明もしてくれるのですが、このVictor先生は私たちよりもよっぽど英語がペラペラで、私の拙い説明もすぐに理解してくれ、またこれからどんな手順で検査、治療をしていくのかも、丁寧に説明してくれました。

Victor先生曰く、さまざまな歯科治療に用いる備品が日本製とのこと!なんか嬉しい。

まずは治療用の椅子に横たわり、歯の全体の状態を見てもらいます。今回の私の奥歯の問題は、詰め物が取れてしまったことですが、そもそもが銀歯などをしっかり被せた状態ではありませんでした。日本の歯科で神経は抜いてしまっていましたが、レントゲンなど詳しい検査をする必要があったため、まずは掃除して仮の詰め物を入れ、レントゲン撮影の指示を受けました。レントゲンは院内にはなく、歯科用のレントゲンのみを撮影する施設が別にあるそうで、紹介状のようなメモ書きをもらいました。また、歯科医院内には女性のスタッフがいらっしゃったのですが、診察時、治療時とも部屋の中におらず、治療機器、備品の準備や待合室での呼びかけなどを行うだけで、日本の歯科助手のようなアシスタントはおらず、治療については完全に歯科医のVictor先生のみが行ってくれます。先生は、鼻歌を歌いながら治療をしていて、なんか自由だな〜楽しいな〜と思いながら治療を受けました。

仮の詰め物の後に説明を受けたのですが、ルーマニアのプライベートクリニックでは現在、ほとんど銀歯による治療は行っていないそうです。銀歯は、質や見た目も悪く、公的な歯科診療のみを希望する方などが選ぶ治療法とのことでした。日本でも、最近では銀の被せ物ではなく、歯の色に似た材質のクラウンを選ぶ人も増えているとは思いますが、金額も高いため、まだまだ銀歯が一般的なのではないかなと思います。と言うよりも、自分から強く申請しない限りは、銀歯で歯科治療が進んでいくような気がします。ジルコニアクラウンにしますか、と聞かれたこともないような…。

そしてVictor先生曰く、ルーマニアではジルコニアクラウンなどの歯科治療費が、フランスやドイツなど他のヨーロッパ諸国に比べて格段に安いそうです。安価で良質の歯科治療が受けられるため、歯の治療のためにわざわざルーマニアを訪れる人もいるんだそう。価格の違いは、例えばジルコニアクラウン1本の費用で言うと、ルーマニアでは200€(2万6000円くらい)、フランスでは1200€(15万6000円くらい)と実に6倍ほどの違いがあると言います。日本だと、1本8万円くらいかな?昔、歯科医院の広告でそんな記事を書いたように記憶しています。日本もジルコニアクラウンなどは保険診療の適用外に当たるため、歯科医院によってお値段には差があるとは思います。Victor先生のお話を伺って、私の奥歯もジルコニアクラウンで治療することになりました。その時私が思っていたことと言えば、今後帰省のたびに一本ずつ銀歯をジルコニアクラウンに治療し直して行きたいな〜ということでした。

また驚いたのが、レントゲンの撮影。指示を受けた通りに、同じ街の中にあるレントゲンの専門施設に行って撮影を行います。このレントゲン撮影は、3DCT撮影だそうで、受付を済ませるとすぐに撮影室に案内されました。撮影室は、日本で胸部レントゲンを取るような状態で行いました。日本と同様に、被曝を防ぐための重いベストを身につけ、立ったまま顎を台に載せ、棒状のものを噛むように指示があります。待っていると、自分の周りを一瞬、カメラがぐるりと通り抜けていくのを感じました。なんという衝撃!一瞬で撮影は終わり、その場でプリントしてもらったCT画像、そしてVicotr先生にはメールでデータを送ってもらえると言うことでした。

後で調べてみたら、日本でも3DCTを取り入れている歯科医院もあるようですが、私は初めてだったのでかなり衝撃を受けました! 一瞬で終わりましたが、自分の全ての歯が映ったレントゲンにも衝撃を受けました。笑 3DCT撮影は、被曝量も低く、撮影により解析できる内容もレントゲンに比べて格段に細やかで、歯の根幹治療などにも適している撮影法なんだそうです。

その後、数回の通院しましたが、結局のところ私の奥歯にはクラウンを被せるほどの隙間がなく、強度の高い詰め物を施していただき、治療終了ということになりました。Victor先生の説明を聞いていて、そういえば日本の歯科でも同じようなことを言われ、それが原因で詰め物だけで治療が終わっていたのを思い出しました。

治療費については、全て終了してから一括で支払いましたが、私の奥歯の治療、口腔内のクリーニング、夫の歯科治療とクリーニング、全て合わせて250€くらいでした。全て自費払いですが、納得の行く金額だったことはもちろん、かなり丁寧に診ていただいた印象で、説明も詳しく、今後の生活のこともしっかり考えて提案してくれるので心強い歯科医師です。また、診療の内容も最先端で、私は今回行いませんでしたが、クラウン制作なども3Dプリンタを使用したりと、通常よりも短い期間で治療を終えることができるということでした。

バーベキューにて一番左がVictor先生です。

ルーマニア、またPietra Neamt で歯医者さんを探している方(なかなかそんな方もいないとは思いますが)には、Victor先生を強くおすすめします! ちなみにVictor先生は、無線の免許を持っていたり、腕や体におしゃれなTatooが入っていたり、アウトドアや音楽が好きということで、治療中のお話もかなり楽しいですよ! 連絡先は以下を参照してください。

Dr.Vicror Cutuhan Dental Avantgarde

TEL +40 751 060 670

Fundătura Teiului Nr.4, Piatra Neamț 610059 ルーマニア

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