ハンガリーとの国境を越えた後はとにかく先を急ぐのみ。真っ暗な夜道を進みます。ほとんどが山道のような場所で、たまに通り過ぎる小さな町や村では、スピードリミットが30kmほどに設定されているので注意しながら進みます。また、ルーマニアの道路事情はお世辞でも良いとは言えません。前回も書きましたが、高速道路は首都のブカレスト近郊の一部のみ。そのほかの地域には高速道路はまだ完成しておらず、大きな都市と都市を結ぶ幹線道路以外は、日本の農道のようなイメージで、深夜に通るのは危険とも言えます。また幹線道路であっても、マンホールがある場所が陥没していたり、とにかく運転には細心の注意が必要です。
ひたすら先を急いでいた私たちですが、早朝に通り掛かった山中でこれまでに見たこともないくらい美しい雲海に出会いました。私は熊本出身なのですが、阿蘇や球磨地方の朝霧町などは、ごく稀に美しい雲海ができることで知られています。ただし、雲海というのは基本的に限られた気象条件により発生するため、実際に地元で目にしたことはあまりなく、高野山に旅行に行った際、下山の道すがら遭遇したくらいでした。
雲海を眺めてリフレッシュした後は、またひたすら先を急ぎます。車窓にはのどかな風景が広がり、途中の街々はこれまで見てきたヨーロッパの街並みとはまた異なり、立ち止まることはないものの色々な発見がありました。特に興味を惹かれたのが、小さな村を通り過ぎる際に見かけた大きな鳥の巣です。細い電柱の先に巨大な鳥の巣があり、嘴が長く大きな鳥が座っているのです。これは、ルーマニアでは親しんだ光景なようで夫はさほど特別なことではないという風な感じでしたが、私は大興奮。この巨大な巣は、コウノトリの一種でヨーロッパの色々な国で目にすることができると言うことです。確かに、思い返して見ると10年前に旅したスペインの田舎町でも、教会の尖塔に巨大な鳥の巣を見たことがあったように記憶しています。ちょうど子育ての時期であったのか、小さな雛に餌をあげている様子も見ることができました。
午前11時に、最初の目的地に到着し、その後午後3時くらいに夫の実家に無事帰省することができました。出発から34時間ほど。本当にハードな旅でしたが、美しい街々、自然豊かなヨーロッパを垣間見ることができた、貴重な体験でした!







